魔神戦記!
……………
「う………」
いつの間にか魔狼転化が解かれ、俺は魔神の姿で激しい雨が打ち付けるアスファルトに倒れ伏せていた。
何メートルぐらい落下したのだろうか……
普通の人間なら即死の高さからだろうということは、俺を中心にアスファルトに作られていたクレーターから想像できる。
段々と視界がハッキリしてくると、目の前に誰かが立っているのが分かった。
リ・シュウだ。
「リ・シュウ………
くそ、身体が動かない…」
龍の姿から獄神の姿に戻ったリ・シュウが、旗を右肩に掛けて立っていた。
その他に居たのは、俺達を取り囲む群衆………
それは俺達に銃を向け、一斉に構えている自衛隊だった!
「お前が来る前に、俺を取り囲んでいた連中だ。
人間は、俺達を『異物』と見なしたようだな。
どうする、ウノサス?
観客を『駆逐』するか?」
リ・シュウは鋭い眼光で、取り巻き連中を睨みながら言った。
「よ、よせ!」
何とか体を起こして立ち上がる俺を警戒してか、
チャ!
ガチャガチャガチャ!
全ての自衛隊員の銃口が俺に向けられた。
銃の狙いを定めるためのレーザーポインターが大量に当てられ、俺の体中に赤い光の点が無数に付けられる。
「………俺を撃つ気、か?」
「心配するな、ウノサス。
人間の作った兵器ごときが神に通用するものか」