魔神戦記!
「やはり……
それが最初から目的でしたか、リ・シュウ」
空で離れて見ていたディノウンも、俺達の近くに降りて来た。
「そうだ。
ウノサスの潜在能力を見極めるため、実際に戦ってみる必要があった。
痛め付けて済まなかったな」
リ・シュウは俺に肩を貸して来た。
「フフ……」
それを見て思わず笑みをこぼすディノウン。
「何が可笑しい?」
「リ・シュウが謝る姿を初めて見ましたよ。
そして誰かに肩を貸すのも。
やはり君にとって、ウノサスは特別なのですね」
「………フン」
リ・シュウは自嘲気味に笑ったが、
「俺にとって……
貴様とウノサスは、掛け替えの無い友だからな」
視線を地に落とし、俯き気味に答えた。
「フフ。
その中に、ルシヴァナも入れてあげておいて下さい」
「奴は関わると面倒なだけだ」
その時………!!
(ウノサス、助けて!)
俺を呼ぶ声が頭に響いた。
「…シ…ス……?」
無意識に千里神眼が発動する!
全身に傷を負い、白い肌を血に染めながら気丈に立ち続けるラシスの姿が脳裏に映し出された!
「ラ…シス……!
ラシスゥウウウウッ!!」
ビキィィィイイイッ!
俺の中で何かが弾けた!