魔神戦記!
「どうした、ウノサス!?」
「ラシスと蜂姫が……
敵に傷付けられている!」
「まさか俺達が離れた隙を狙って伍凶将が……
迂闊でした。
ファルキュリア……」
ディノウンも、自分の恋人の身を案じたようだ。
「しかし飛んで行くにしても間に合わない。
ここは彼女達の力を信じ、自ら活路を開いてもらうしかない」
リ・シュウの言う通りだ。
既に………
少なくとも俺は、速く飛べる身体の状態では無い。
となれば、答えは1つ!
ジャキイィィイン!
ピキュイィィィン!
俺は左手に砕鋼峰、右手に破天虹を出現させた。
「何をするつもりです!?
それに今の君の身体では、2本の魔剣を同時に使うのは危険です!」
「やらせてやれ。
その代わり俺達が援護する」
俺の左後方をリ・シュウが、右後方をディノウンが支える。
「時間が無い!
やれ、ウノサス!!」
ギュリイィィィイン!!
砕鋼峰が唸りを上げる!
(待ってろ、ラシス…)
「次元を切り裂け!
砕鋼峰よ!!」
スファシッ!!
砕鋼峰を、雨降る空の中に振り下ろす!
空振りでは無い。
目に見えぬ『次元の壁』を切り裂いたのだ!
ゴゥオオ……
俺達の目の前に、轟音とともに黒い次元の裂け目が出現した!