魔神戦記!
「剣で斬れなくとも、俺の大鎌なら斬れるのですよ」
雷光に照らされた破天虹の影。
それは人の形になり、それがディノウンに変わる!
そして一閃!!
ビュフッ!
ディノウンの黒い三日月が真横に振られ、羅扇の首を斬り落とした!
「ウノサスの砕鋼峰が『切れ味を変えられる剣』なのに対し、この黒い三日月は『斬りたい対象だけを斬ることができる鎌』。
壁を斬らずに壁の後ろの物を斬ったり、通常では斬れない物を斬ることができるのです」
ディノウンは間髪入れずに蜂姫の救出に向かう。
「ファルキュリア!
大丈夫ですか?」
「あぁ〜ん!
ディノウぅン……」
まるで蜂姫は『もう少し、この格好のままが良い』と言いたげな、残念そうな表情でディノウンを見た。
「きょ、凶大化を……」
地面に転がり、今にも風となって消えそうな羅扇の首が呟く最期の声に、
「そうは行くか」
グシャッ!
赤い鎧の足が踏み付け、首を粉砕した。
次元の狭間を通って伸び破天虹を掴み、リ・シュウも来ていたのだ。
「ラシス、無事か?」
雨は少しずつ小雨に変わってきていた。
その中で、うずくまるように小柄な身体を横たえていたラシス。
「リ・シュウ……
ウノサス…は……?」