魔神戦記!
『3日前、キサマを襲ッたノに…
俺様が見えル貴様に、気付かれナいように襲ったのにぃっ!!』
『奴』の声が、バケモノ染みた聞き取りにくい声から徐々に普通の喋り声に変わってゆき、それとともに地面から現れた不定形なアメーバ状の物体が何かの形に変わり始めた。
「こいつ………
何なんだ!?」
出来上がった『モノ』は、何とも形容し難いものだった。
蜘蛛のようでもあり、人間のようでもある『モノ』。
早い話、『形の無いバケモノ』が『形のあるバケモノ』になったのだ。
「フゥ。
やっぱり実体は良いぜ」
バケモノは首を左右に曲げて、コキコキと鳴らした。
「おい、『何なんだ?』…とか言いやがったなぁ?
俺様が聞きたいわ!
3日前、貴様の存在を喰ってやろうと襲い掛かったら、得体の知れない力に弾かれたせいで、たまたまそこに居た蜘蛛を間違えて喰っちまった…
オカゲで…
こぉんな変な身体になっちまったじゃねぇか!!」