魔神戦記!
ドグアッ!
「ぐっ…ぅ!」
強烈な一撃は、透徹の身体を壁面にめり込ませた。
間髪入れずに追い撃ちをかけるガルウノサス!
ヒュワアアア
ガルウノサスの黒髪が、まるで蚕が糸を吐くように透徹の身体に纏わり付いて動きを封じる。
『ダメ押しだ』
ピキュイィン!
破天虹が狭い洞窟の中で伸びきり、透徹の腹を貫く!
「ぐあっ!
き、貴様…!」
手足は髪で、胴は昆虫の標本のように後ろの壁ごと破天虹で串刺しにされ、身動きが取れない透徹。
『寸刻みにしてやる。
生きたまま八つ裂きになれ』
ギュワイィィイン!
今度は唸る砕鋼峰を携えて、ゆっくりと透徹に近付くガルウノサス。
ブチブチブチ!
その時、透徹の動きを封じる髪を一閃が切り裂いた!
『…?』
ガルウノサスが振り返った先…
そこにはルシヴァナが、槍を投げ終えたポーズで立っていた…!
『鬼神…
貴様、正気か?
結界を解けば…』
「あぁ。
どうなるか分かってるさ。
だがなぁっ!
俺は目の前で友がいたぶられるのを、黙って見ていられない性分でな!」