魔神戦記!
「あぁ、そうだったな…
言われるまで忘れてたぜ。
やってみれば良いじゃねェか」
ルシヴァナ…
一体どういうつもりなんだ?
アクセル・フィストで脱出されたら、アガストで動きを封じた意味が無い。
『………?』
ガルウノサスは腕を飛ばす方法が分からないのか?
「飛ばせ無ぇだろ?
アガストは、相手の能力を一時的に封じることができる槍だ。
だから今のテメェは、破天虹も砕鋼峰も使えねぇ」
ルシヴァナの言葉通り、透徹の腹を貫いていた破天虹がシュルシュルと引き戻って束に収納された。
「う…」
その場に崩れる透徹。
「透徹、しっかりしろ!
この場は…退くぞ!」
ルシヴァナは動かない透徹を肩に担ぎ、洞窟の入口に向かって疾走した!
「戻れ、アガスト!」
洞窟を出たルシヴァナが槍を呼ぶと、それは意志を持ったかのように跳び上がり、ルシヴァナの手元に矢のようなスピードで飛来した。
シュワシ!
ルシヴァナは右腕を真横に突き出して槍を何気ない動作で掴み取ると、すぐに左手を洞窟入口の大岩にあてた。