魔神戦記!
「しかし水晶の虎が居る。
奴が居て、鬼が動かざるを得ない状況になったということは、水晶の虎が敗れて鬼が戦わなくてはならなくなったと考えるのが自然だ。
…かなりの強敵を相手にしていると考えた方が良いだろう」
リ・シュウは冷静に言ったが、その予想が外れていて欲しいという願いが拳の震えに表れていた。
「ウノサスは!?
ルシヴァナの居た洞窟に置いてきたんでしょ?
石化した状態で激しい戦闘に巻き込まれたら…」
若干取り乱し気味な那由を、ディノウンが制した。
「落ち着いて、ラシス。
ウノサスの気配は石化状態の時も、現在も消えていません。
ただ…
何か様子がおかしい」
「お前も感じたか。
どういうコトだ…
凶結界が復活したにも関わらず、気配が弱くならない。
むしろ強くなっている」
蜂姫が割って入った。
「え、それって…
ウノサスが石化から復活したってコトじゃないの?」
「違うな。
神の石化は、そんな短時間で回復するものでは無い。
…何者かが力を注ぎ込んだのなら話は別だがな」