ついてなかった人
「まったく君と話してると話が進まないわね」

「原因はお前だと思うぞ。
つーか、昨日までの守護霊はどうした。
何故、今ボクを守らない?」

「昨日までは誰もいないわ。君の守護霊は生まれた時から私だけ」

「は?
僕は守護霊いなかったの?」 

「いたけど、ほったらかされてたのよ」

「誰に?」

「私に決まってるでしょ! そうやって遠回しに苛めて楽しいわけ??」

「楽しんでるのはお前だ!」

つまり18年間、守護霊に災厄から守ってもらえなかったわけで。

それ故に、ついてなかったわけだ。

「そそ。ついてないって言うより、憑いてないって感じ」

「で、憑かれたというより疲れたって感じでしょうかニキータさん」

「ニキータって誰よ?」

「――もう誰でもいいです」

「そうじゃなくて、お前だよ! でしょ。

せっかく用意してた返しがお蔵入りだわ。
死ぬほど後悔なさい。
むしろ殺して上げようか?」

「すいません。初回だしこの辺で勘弁して下さい」

「っち、一旦休憩にするから、ちゃんと霊に礼して終わりなさい」

「親父ギャグ九段ですか? クダン・ネ」

たぶんかなりピンチだ。

魂がそう叫んでいる。
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