現代戦国時代
「名は?」
 
「真田……幸村です」
 
男はにんまり微笑みを浮かべている。
 
「なるほど。俺と同じ実名か?」
 
「はい。そうですけど…」 

ガンガン話してくる男に対し、俺はたどたどしく返事するしかなかった。
 
「俺は前田慶次。同じ実名のよしみだ。よろしく頼むぜ」
 
握手を求められ、俺は慶次と握手をかわした。
 
ゴツゴツした手だった。
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