現代戦国時代
由馬の顔はいつの間にか、あどけない少年ではなく、俺達と同い年くらいの青年の顔になっていた。
 
「君は……」
 
「マジかよ……」
 
驚く俺達を見て、由馬はくすりと笑った。
 
「あの部屋を出て、呪縛が解けたみたいだ。止まった時間は動きだした。あとは君達次第だ……」
 
「ははは……大役を任されちまったもんだ」
 
俺は笑っていたが、由馬の全身が消え行くのがとても悲しかった。
 
託されたバトンは、とても重たいものだ。
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