ヤンキーの恋~少年編~
そして覚悟をして、携帯を持ったが、なかなか発信ボタンが押せない・・・小心者な俺

(とりあえずどこかに遊びに誘うぞ)

頭ではわかっている

でも手が動かない

(気楽に気楽に気楽に)

自分に言い聞かせて発信を押した

プルプル プルル
電話のコールが異様に長く感じる

(寝てる?しょうがないよこれは)と明らかに逃げの姿勢で解釈し電話を切ろうとした

「もしもし?」
(出たよ、起きてたか)

「あっ、村山だけど」(少し手が汗ばんで、体温が上がってきた)

「あの、今週の日曜日にどっか行かない?」(あれ簡単に言えたじゃん)
「えっ・・・」
(答が怖いよ)

一瞬の沈黙にも耐えきれずに私が口火を切る

「あっ別に強制じゃないし用事あったらいいからさ」
(何言ってんだ)

話題を映画の話しに変えようとした

「そういえば前に言ってたあの映画」ぼそっと「いいよ」と聞こえた・・・

「えっ!いいの?」

「うん・・・」

(きた!!)

(きたよ!!!)
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