ヤンキーの恋~少年編~
「とりあえず入ろうか?」

俺は無言が耐えきれずに、おいでおいでと手招きして椿ちゃんを呼び込んだ。

時間とか機種を決める時も椿ちゃんは無言・・・


部屋についてもお互い無言・・・・


カラオケの画面のランキングをボォーっと眺めて気まずさを誤魔化す。


喋りかけるタイミングを全く無くした。


更に歌本をめくってみたりして誤魔化す。


(この空気苦しい!)


でも話し掛けられないまるで中学生が初めて女子と下校した時の様な子羊な俺・・・・


「あ、あのさ良かったら先に歌いなよ」


沈黙から逃げようと必死な俺・・・




「先に歌って・・」




「ラジャです」


歌いたい曲が頭から完全に抜けいた俺は本をパラパラめくり、なかばヤケクソで心の中で(ストップ!)と1人ロシアンルーレットをして曲を入れた。

曲が始まるまでの時間が物凄く長く感じた。
(空気重い・・・)

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