ヤンキーの恋~少年編~
「お開きにしようぜ」と俺。陽子は完璧に飛んでいる様だ。また厄介な奴だ…シンナー吸っても溺れるなという言葉は知らないのだろうか?

俺じゃなきゃ余裕で襲われているだろう。俺も先輩の連れてきた子じゃなきゃ襲っていたかもしれない。

シンナーをどれだけ吸っても俺の意識はしっかりしている。まぁジャンキーだから免疫力が半端ないなのかもしれないが、運転は楽勝で、できる便利な俺は飛んでいる陽子をバイクの後ろに乗せてとりあえず走り出した。
「さぁ!いい加減に家の場所教えてや!」

「わかった…約束だもんね…でもありがとね…一緒に居てくれて」

「まぁ先輩にチクるとか言われれば誰でも一緒にいてくれるだろ」

「先輩にチクらなかったら帰ってた?」

「まぁ帰ってたな!」

「そっか…そうなんだ」
寂しそうな声で答える陽子に俺は少し可哀相な気がした。
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