どこにでもあるラブソング
「晃一はさ、私のこと好き?」

こちらを見ずに聞く歌穂。その声は少しだけ震えていた

「好きだよ」

俺はそれにすぐ答えた。歌穂を好きかなんて誰に聞かれたって即答できる。それは歌穂にもちゃんと伝えてきたつもりだった

「晃一はそうやってすぐに答えてくれるよね…それは本当に嬉しいんだけど…」

そこまで言って沈黙。歌穂が何を言いたいのかわからない、好きと言うのがいけないのだろうか?

「ごめん、やっぱり今日帰る…」

「何で?」

「……ごめん」


それだけ言って歌穂は歩いて行ってしまった。本当は追いかけなきゃいけなかったのだろう、でも歌穂の言葉に理不尽さを感じてしまい追いかける事ができなかった
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