どこにでもあるラブソング
歌穂の家はここからそう遠くない。歩いて向かう最中、必死でこれからどうするかを考えていた。


何を言えばいいのか、何をすればいいのか、謝ればいいのか怒ればいいのか


考えがまとまらないまま歌穂の家について


【家の前にいるから来て】


何てメールをしていた。今会っても何を言えばいいかはわからないのに、何故かどうしようもなく歌穂に会いたかった


歌穂からのメールは来ない、その代わりにガチャリと鍵の開く音が聞こえた。鍵が開いてから扉が開くまでほんの数十秒、その間に俺の心臓は尋常じゃないほどに脈打っていた


玄関から出てきた歌穂はいつもと変わらない姿だった。いや、少しだけ目が赤いかもしれない
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