大好きの言葉
放課後部活帰りに教室に忘れ物を取りに帰ったら、
そこにはなぜか優樹菜がいた。
もう、時間おせえのに。
2人だけの教室。
優樹菜何してんだ?
『何してんの?』
俺はドキドキを無理やり押し殺して優樹菜に話掛けた。
『……………………ずっとねちゃってた。』
優樹菜はひきつりながら笑顔を見せた。
『そっか、もう、外くらいで。』
『うん。』
『送ってく。』
優樹菜は戸惑いながら『いい。』と言った。
なんで?
『俺と帰るんいや?』
何言ってるんや。
調子のんなや俺。
かっこつけんな。
『嫌じゃないけど、その…家の方向逆やし。』
『嫌じゃないんやったら、送らせてや。お願い。』
俺、めっちゃ優樹菜好きって言ってるみたいやん。
帰り道は静かで
2人ともしゃべることはなかった。