先生は19歳
「ぇ?」

「いいよ。じゃぁ、自習室に行こっか」


そう言って教材を持って自習室に向かう先生。


私は心からほっとした。



うちの塾の自習室は、長机にパイプ椅子が3つ置いてあるという、会議室みたいな部屋だった。

自習している人は少なかった。


「で、どこが分かんないの?」

必要なことしか会話しなくなった先生。

私は寂しさを噛み殺し、プリントを広げた。

「・・・ここ」

「ん~これはさ・・・」

そう言って説明を始めたが、先生が立ったままだったので、私は自分の隣の椅子をひいて、

「ここ、座れば?」

と言ったのだけれど・・・



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