さくらんぼ
*隼人*
教室に行くと
葵ちゃんと山本が言い争っていて、

俺たちがいることに気が付くと

葵ちゃんがフラフラしながら
近づいてきた。

「隼人君!
 何で志穂と一緒にいなかったの?」

「いや、何で俺がアイツと・・・」

「なんでじゃないわよっ!
 もしかして、最近志穂が
 どんな目にあってたか知らないの?」

何のことだ?

「アンタ志穂のこと好きじゃないの?」

てか、何で知ってんだ?

「好きなら・・・
 ちゃんと守ってよっ!!」
 
そう言う葵ちゃんの目からは

涙がたくさん流れていて、

ことの深刻さにようやく気が付いた。

「何のことだ・・・
 お前は知ってんだろ、山本?」

「・・・ごめんなさい。
 志穂ちゃん今体育倉庫にいて、
 それで・・・」

俺は、山本が喋り終わるのを待たず、

無我夢中で走った・・・。

志穂・・・無事でいてくれ!!



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