さくらんぼ
*志穂*
上に着ていた服はすべて脱がされ、

スカートの中に手を入れてくる。

もう声は出ない・・・。

そのかわり、涙は尽きることを
知らないかのように溢れ出る。

下着の中に手を入れられそうになり

もう、諦めようと思った。


「先輩、何してんスか?」

今まで暗かった体育倉庫には

光が差し込み、

ソイツの声を聞いた瞬間
もう出ないと思っていた声も出たんだ。

「隼人・・・、隼人ぉ・・・。」

「外にいた奴らは何をしていたんだ?」

「あ~、あの先輩方なら
 気持ち良さそうに眠っていますよ。
 先輩も眠ってくださいよ。
 一生眠ってくださってもイィですし。」

そう言った後の隼人は一発で先輩を
気絶させた。

「まだ、寝るなよ?
 先輩?」

「隼人っ!!
 私は大丈夫だから・・・
 だから早く寮・・・」

帰ろう?
と言おうとしたのに
言えなかった。


隼人にきつく優しく
抱きしめられたから・・・



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