さくらんぼ
一時抱きしめていると

志穂は泣き疲れたのか、

俺の腕の中で眠ってしまった。


俺はその後、
志穂を起こさないように寮まで運ぶと、

目を覚ました葵ちゃんに呼ばれ、

春樹たちの部屋に向かった。


そこで初めて知ったんだ。

志穂がイジメられていたことや

志穂がイジメられている理由を。


俺のせいだったんだ・・・。

俺はどうしたらイィのか
分からなくなった。


その時、葵ちゃんが口を開いた

「隼人君、志穂が好きなんでしょう?
 だったらこれからも
 ちゃんと守ってよ・・・。
 それに守るのは・・・心もだよ?」

どういうことだ?

「志穂が話せるようになったら
 志穂と話をして・・・。
 志穂から逃げようとしなゴホッ
 ゴホッ「葵ちゃん、もう寝な?」

春樹が苦しそうな葵ちゃんを

寝かすと、真剣な顔をして

話し出した。



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