さくらんぼ
その後は沈黙が続き

何を言ったらイィか分からなかった。





「ごめんなさい・・・。」

え?

今の、山本さんが謝ったの?

「志穂ちゃん、ごめんなさい・・・。」

山本さんが謝ってる・・・。


その辛そうな表情を見ると

本当は優しい子なんだって思えた。

ただ、隼人のことが好きなだけ。

うまく感情を抑えることが
できなかっただけ・・・。

「「志穂ちゃん、ごめん。」」

山本さんが謝ると

後ろにいた人達も
泣きながら謝ってくれた。

「もう、いいよ・・・
 美佐ちゃん。」

初めて山本さんを名前で呼んだ気がする。

私が美佐ちゃんというと


彼女は泣きながら

少し、笑った。


その笑みは冷たい笑顔でも
作られた笑顔でもない

純粋な美佐ちゃんの笑顔だった・・・。



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