至適彼氏
背中に生暖かい感触。


これってもしかして…。

怖くて後ろ、振り向けない。きっとね、振り向いて目が合った瞬間、呪い殺されちゃうんだよ!!


そう思ったら…。



「うぎゃ―――――――――!!」

カエルが踏み潰されたような、ダミ声の叫び声しか出せなかった。




「何変な声出してんだよ。出すならもっと色気ある声出せよ。」

あれ?この声ってもしかして…?


恐る恐る後ろを振り向く。
薄明かりの中見えたのは、葛城君の呆れた顔。


「うわーん、葛城君だぁ。幽霊じゃなくってよかったよぉ。」


ほっとしたあたしは、相手が葛城君なのも忘れて抱きついてしまった。





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