至適彼氏
息もつけないほどの激しいキス。

葛城君の両手が、あたしの頭を押さえて逃げられない。
背中をドンドンと叩いても、ビクともしない。
クラスの男の子に比べて、細身の葛城君。
なのに、振りほどけない。


頭を抑える力がゆるんだ。

ほっとしたのも束の間で、セーラー服の裾から葛城君の手が入ってきた。
その手がだんだん上のほうにやってきて。

え…?む、胸触られてる!?

拒むことも出来ないまま、ブラホックが外される。


く、苦しい…。
あたし、窒息して死んじゃうの!?


葛城君を叩いていた力がゆるむ。
苦しくて、失神しそうなときキスが止まった。



やっと離れた唇。
葛城君の口から出た一言。


「キスの仕方も分からないバカなのか?」



< 3 / 54 >

この作品をシェア

pagetop