至適彼氏
大森君がカバンをゴソゴソし出し、1冊のノートを出してきた。


「そんな疲れた楠木に、プレゼント。」

「何?コレ…。」

「ん?追試対策かな?要点まとめてあるから、良かったら使えよ。俺部活戻んなきゃなんねーから、じゃーな。」



半ば強引に、あたしの手にノートを押しやって、大森君はいなくなった。

なんであたしにノートよこしたんだろ…。
はっ!もしかしてあたし、自分が思ってる以上にバカすぎるのかも…。
進級どころか、へたしたら退学になっちゃうとか!?

大森君にまで心配かけるとは…。


このノート使って一生懸命勉強するから、神様進級させて下さい!!




補習の日々も終わり、追試の日がやってきた。

放課後のグラウンドからは、部活をしている人たちの声が響いてる。


テスト用紙が配られ、問題を解き始める。


この問題、ノートに書いてあった例題とよく似てる…。
つぎの問題も。要点もドンピシャだよ。


でも、それ以上に思い出すのは、葛城君と一緒に勉強したコト。

なんで葛城君が、出てきちゃうんだろ…。


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