至適彼氏
追試が終わる頃には、部活をしている人もまばらになってきた。

オレンジ色の夕日がキレイ。


廊下を歩いていると、見覚えある後ろ姿。

「大森くーん!!」


追いつくように、駆け足で大森君のトコロへ行った。
ノートのお礼言わなくちゃ。


「楠木、今帰り?」

「うん。あの、ノートありがとね。大森君ってばスゴイね~。出た問題、ノートとほとんど同じだったよ!これで無事に夏休みを迎えられそう。」

「あー、そっか…。」


口ごもるなんて、どうしたんだろ…。
いつもの大森君だったら、明るく喜んでくれるのに。



「あのノートさ、俺じゃないんだよ。」

「え?」

「葛城だよ。まったくアイツ、素直じゃねーんだもん。」


なんで葛城君が?
あたしのコト無視して、怒ってたのに…。


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