至適彼氏
あたしの声が、気持ちが届いたのかは分からない。


だけど。

ゆっくりと葛城君は振り向いてくれた。



顔からは、葛城君が何を考えてるのか分かんない。
怒ってるのか、めんどくさいのか…。

葛城君のあの顔が見たい。



「ノート、葛城君だったんだね。追試の問題ね、ノートに書いてある例題とそっくりだっだの。…ありがとう。」

「………。」


無言。
表情も変らない。

そりゃ、返事くれるとは思ってなかったけど…。
無視は結構辛いよ。



「なんでケンカしたの?」

「………。」

「あたしのコトだって聞いて。あたしのコトなんか好きじゃないのに、怒る必要なんかないじゃん…。」




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