至適彼氏
葛城君の眉が、ピクって動いた。


「山本らが、お前のコトバカにしたから。」



葛城君が喋ってくれた。

なんか信じられないよ。
葛城君と言葉を交わすのは、何日ぶり?
すっごく昔のような気がするのは、あたしだけ?


「…バカだから、なんにも考えないでヤラせてくれるだろうなって。」

「そんなコトで?あたし、バカって言われ慣れてるから気にしないのに。」


あたしのせいでケンカしちゃう葛城君のほうが、よっぽどバカじゃん…。
自分はあたしのコトいっつもバカにしてんのに。
どうして?



「俺が嫌なんだよ!!アイツらお前のコトヤラシイ目で見てんだぞ!」



感情的になった葛城君を見るなんて、初めてかもしれない。

いっつも冷静で、バカ騒ぎなんてもちろんしなくって。
今みたいに大きい声なんて、聴いたコトない。



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