至適彼氏
あたしはゆっくりと葛城君に近づいた。


避けられてもいい。
葛城君の近くにいたいの…。



近くで見る葛城君。

まだ葛城君の口元には、うっすらとアザが残っている。
顔も所々、擦り傷がある。




放課後。
誰もいない教室。
夕日が差し込み、2人をオレンジ色を染める。


あたしの大好きなシーン。


そんな場所で言われたら、反則だよぉ。



あたしは葛城君を見る。

葛城君はあたしを見る。


お互い見つめあう。

そして、





「仁菜が好きだ。」


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