至適彼氏
葛城君の言葉。


これって本当?
あたし、立ったまま夢見てるの?


名前で呼ばれるのが、こんなに嬉しいなんて知らなかった。


好きって言われるのが、こんなに胸を締め付けるなんて。



それもこれも、みんな葛城君のせいなんだから。


「絶対、好きになんかならないって思ってたのに、好きになっちゃったじゃん…。」




あたしは背伸びをして、葛城君の唇にそっとキスをした。



「キズ、痛くない?」

「もっと仁菜がキスしてくれるなら治る。」



そんな葛城君が、カワイイって思えるの。
愛しいって思っちゃうの。
触れたいって思うあたしがいる。



あのトキ、葛城君に声をかけなかったら、あたしたちどうなっていたんだろう…。

きっと話すコトなんかなくって、クラスも別になって卒業してサヨナラなんだろうなぁ。




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