至適彼氏
隣の席でも近いのに、さらに葛城君と近くなった。


緊張する。
葛城君を見ると、嫌でも昨日のことを思い出しちゃう。
それなのに…、葛城君はいつもと変らず何もなかったみたいにして。
あたしだけ気にしてバカみたい。


授業中だけど、どうしても葛城君のほうを見てしまう。
見なきゃいけないのは黒板のほうなのに…。
また葛城君を見た瞬間、目が合った。

ヤバイ!!

思いっきり反対側を見る。
オーバーアクション。誰が見たって、今のはワザと過ぎる。


「何見てんの?」

「み、見てないもん。」


急いで視線を黒板に戻す。
今は授業中だもん。集中しなきゃ…。

先生の声が聞こえる。

「じゃあ、今説明した公式使って、問1から問10まで各自解いて。終わったら当てるから、サボらずやれよ。」


へ?何?公式?
いつ説明してたの??
< 9 / 54 >

この作品をシェア

pagetop