20歳の私へ【短編】
「連絡網あった?」


早速聞こえてきた敦司の声。


「連絡網もあったんだけど…こっち持ってきた!」


ピラッと敦司に紙を見せる。


「ぉお♪この方がいいじゃん。皆の携番だよな?」


「うん!一回携帯水没させちゃったしあってよかった〜♪」


「よし!早速!誰選ぶ〜?」


「アタシ瑠美は呼びたいなぁ♪真紀子もぉ♪」


「ん〜…俺は〜…やっぱ駿と一樹と拓海かなぁ…」


「…!」


「…?どした…?愛魅?」


「ん…ん〜ん!なんでもないよ〜…♪」


「そ?…あぁ〜卓哉も絶対かなぁ…」


一樹……

久しぶりに聞いた名前…。

てかアタシ、何反応してんだし…

もう7年も前に終わったことじゃない…。

アタシは敦司と結婚するのに…

いや、でも……

未練たらたらのまんま結婚しても

ただ気持ち悪いだけ…

一樹を呼んで…スッキリしたほうがいいのかな…


「…アッ君…駿と一樹と拓海と卓哉、呼ぼうよ!」


「え…?あ、うん。でも…どしたぁ?急に…?」


「いや…その…」


「…………一樹に会いたい?」



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