蒼い月~さよならのサイン~
バシュッ
着いた先は埼玉のとある道路がよく見える場所だった
時刻は20時46分
二人はその道路の近くのビルの屋上にいる
「あと1分13秒。」
浩一が腕時計を見て言った
俊は何を言っているのか訳が解らない
ニ車線の道路でさほど交通量は多くない
手前の歩道には、小さな男の子を連れた若い父親と母親が楽しそうに会話をしながら歩いている
「黒いワンボックスカーだ。」
「??だから、何の話だよ!」
しばらくして右側から黒のワンボックスカーが走ってきた
少しフラフラしている様な気もする
浩一は左手で右手首を押さえ、右の掌をその車へ向けた