蒼い月~さよならのサイン~
その車の運転手は30過ぎの若い男性だった
仕事帰りで相当疲れているのか、うとうとしている
そしてゆっくりと男性の瞼が閉じられた
その車は左右にぶれて、歩道を歩いている親子に向かって突っ込んで行った
親子は背後から迫っている暴走車には全く気づいていない
「危ない!」
俊は大声で叫んだ
親子の手前で浩一は力を放出した
ギギッ
ガリッ
バンッ
歩道に乗り上げ
親子の1メートル手前で車が急停止した
車のフロント部分が何かにぶつかった様にぐっしゃりと波打っていた