蒼い月~さよならのサイン~
秘密の恋
渡辺は一階の保健室でなんとかごまかすと玄関口近くの自販機でホットの缶コーヒーを二本買った
一本はブラック、もう一本はカフェオレだった
缶コーヒーを持って
先程来た道を戻り
屋上へと向かった
ガチャリ
通常鍵で閉め切られている
屋上のドアがすんなり開いた
屋上では
晶が座りこんで真上にある太陽を眩しそうに仰いでいた
渡辺は晶の元へと歩み寄る
「どうした?晶」
「う~ん、なんでもない~。渡辺先生こそ、サボってへーきなの~?」
「今だけは先生は休業中だ。」
と言うと渡辺は人差し指を唇にあてた
「も~、浩一ってば~。」
「ほら、コーヒー。甘めのやつ。好きだろう。」
「ありがとう~!」
コーヒーを一口飲むと
大きく息を吐いた