蒼い月~さよならのサイン~
「梨緒ちゃん、よく我慢したね。パパとママにもうじき会えるからね。」
「りお、お姉ちゃんだから…泣かない…。」
梨緒は必死に下唇を噛んだ
「梨緒ちゃんは偉いね。もうじき陸君のお姉ちゃんになるもんね。」
彩名は梨緒の頭を優しく撫でる
「り…く?」
「あ、ごめんごめん。何でもないのよ。」
その時、砂利道に梨緒の足がつまづいた
晶はとっさに繋いだ手を引っ張る
梨緒は無事なものの、梨緒の右手にずっと握られていたものがヒラヒラと舞い落ちた
それは小さな真っ赤に染まった紅葉の葉っぱの欠片だった
迷子になってから無意識に強く握っていた為、いつの間にか葉が粉々になっていた