蒼い月~さよならのサイン~
「うん!うまい!」
幸せそうな顔をして
あたしの玉子焼きを食べている
「もー、俊。自分のあるんでしょ?」
「オレは今日も購買のパン。」
「なら、パン食べればいいじゃない。」
「だってさー、その玉子焼きがオレに食ってくれ!って言ってたからさー!」
「言ってません!」
「ほら、今も言ってる!耳を澄ませて聞いてみ!」
(耳元で小声で囁いた)
「俊、食べて…」
耳元で囁かれると
顔はおろか
耳まで真っ赤になる
ドキドキしている間に
俊はアスパラのベーコン巻きを
さっと取って
また口にほお張る
「ごちです!」
そう言うと購買へと
向かって走って行った
「もう。俊のやつー。」
その様子をずっと見ていた
さおりがにやにやと
こっちを見ている
「な、何?」
「いつも仲がよろしい事で。」