蒼い月~さよならのサイン~




バシュツ


「浩一!遅くなってごめんね。…ハッ。」



晶は浩一の異変にすぐに気が付いた




「あぁ…、翠。私は儀式を行わなければならなかった。許してくれ…。」

浩一は浩一ではなく、まるで雅臣だった



「浩一…いえ、雅臣様。貴方が儀式を執り行わなければ、凛は苦しんで亡くなっていたわ。あんなに安らかに亡くなる事が出来たのは雅臣様のお陰なのですから。」



「しかし、私にも止める事が出来なかった責任はある。」



「仕方のない事だったのですよ。…ああするしか方法がなかった。凛のためには。それに私が貴方に頼んだ事よ。私の我が儘で貴方を苦しめてばかりね。」






< 246 / 446 >

この作品をシェア

pagetop