蒼い月~さよならのサイン~




一瞬、彩名はその散り行く桜の美しく儚さに目を奪われた



まるで晶の人生の様に思えてまた涙が溢れそうになった



「礼奈様…。翠を…晶を助けて下さい。…っく。」



また私は何も出来なかった



私はまた無力だ…



フワッ

その時懐かしい暖かい温もりに包まれた気がした



目の前には一人の女性が悲しげに彩名を見つめていた



「礼奈様…。お願い。晶を連れて行かないで!!お願いっ!!」


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