蒼い月~さよならのサイン~


その悲痛な叫びに礼奈は彩名に何かを伝えようと口を開く


しかし、言葉は全く聞こえない



彩名は必死に礼奈に追いすがった


「礼奈様!何!?何を言おうとしているの!?」



彩名は必死に礼奈の唇を読む



そして理解した瞬間、全てを思い出した





礼奈がにっこりと微笑み、桜の木へと重なる様に消えた




まだ…まだ…



まだ…解らない!!


「また…晶ばかり先に逝かせない!!」



早く戻らなきゃ!!


アレを持って!





桜の木の傍に行くと木の幹に優しく手を触れる




「戻っておいで。私の元へ。」



手の触れた幹の部分が金色に光り、中から光輝く小さな勾玉が出て来た




そしてソレは彩名の手の中に収まった








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