蒼い月~さよならのサイン~


「さおり!おまたせ!」



席について自分のお弁当箱を取り出した




「ううん。それより…朝から俊君と…何があったの?」


「えっ?」



さおりがニヤニヤして教室の出入口を見た



そこには


ついさっき


手渡した


弁当箱と


ペットボトルを


大事そうに持っている




俊がいた



そして


彩名の元に来て、いつもみたいに、にこにことしていた



「ありがとなっ。」



「うん。」



それだけ言うと


俊は仲間の所へ


歩いて行った





遠くで俊の仲間の声がしていた



「めっずらしー!俊、弁当なんだ?」


「ん…ちょっとな。」


「あ、それ、うまそー!一口くれよ!」
「ダ、ダメだ!お前パンあるだろー!」


「いいじゃん。一口位!」

「ダメっつったら、ダメなんだよ!」



「ケチだなー。」





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