蒼い月~さよならのサイン~
「晶だって勉強ちゃんとすれば出来るよ!だって、私達双子なんだし!」
「べんきょ~わぁ、彩名が代わりにしてくれてるから~、い~の!」
「はい?それじゃ意味ないでしょ!それに晶!また化粧してるでしょ!また、怒られるよ!」
「それよりぃ~、お腹空いたぁ~!ご飯た~べよっと!」
晶は彩名をよそにスタスタとリビングへと歩いて行った
背後でため息が聞こえた
二人の通う高校はテストで順位のよい順番からA~Fクラスと分けられている
Aクラスからは東大合格者が何人も輩出されていた
それに比べFクラスの全員が進学は無理と言われ就職する者がほとんどだった
二人は食事と支度を済ませるとリビングへ行き、角にある仏壇の前に来た
一組の40代位の男女がこちらに向かい優しく微笑んでいる写真があった
写真に向かい両手を合わせる
「いってくるね~!」
「行ってきます。お父さん。お母さん。」
二人の両親は高校に入学直前に交通事故で亡くなっていた
両親が残してくれたお金で、二人はこのマンションで何不自由なく今までの生活を続ける事が出来た