蒼い月~さよならのサイン~
翠と凛が神雁に来たのは、7才になったばかりの時だ
西神雁は都の奥の小高い山の中腹にあった
朱色に染められたその社は都の一番端からもよく見えた
伝統を重んじられており、規則なども様々あった
二人はやって来てすぐに白い羽織り、赤い袴に着替えさせられた
そして当時の西の神巫に面会した
『神巫様、翠と凛と申します。』
神宰は神巫に二人を紹介した
二人は言われた通りに一段下の間で正座をして両手を付き、お辞儀をした
西の神巫は中年の女性でどことなく雰囲気が母親に似ていた
『わたくしは西の神巫の礼奈です。名は凛と…翠…というのですね。』