蒼い月~さよならのサイン~


同時刻




「やべっ!学校に参考書忘れてきた。」

「戻ろうか?」


彩名のマンションの近くまで来て、忘れ物をしたのに気付いた



「いや。彩名は先帰っててくれよ。ここまで来たし。それにこんなに雨も降ってきたからさ。」

「でも…。」


「また戻ってってなったら遅くなるからさ。」


「…うん。わかった。」




「じゃあ、帰ったらまたメールするな!」


ブンブンと両手で大きく手を降った



彩名は帰宅する人々の目があった為ちょっと照れ臭そうに胸の辺りで小さく手を振った


その姿を見て思った


「やっぱり、かわいいなぁ。オレの彼女は。うん。」


彩名が見えなくなると慌てて駅へと向かう



急いで電車に飛び乗り学校へと戻った





学校へ到着すると、真っ暗で昼間とは違って静かで気味が悪く、雨音と雷だけが響いていた

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