蒼い月~さよならのサイン~
『顔を上げて下さい。残念ながら、翠さんの見えている未来が私にはまだ見えません。しかし、僅かかもしれませんが貴女の力になります。』
頭を上げると雅臣と視線が合った
『礼奈さんが言っていた通りだ…』
翠は真っ直ぐに雅臣を見つめていた
礼奈からの最後の伝言なのかもしれない感じたからだ
しかし
それは未来への希望ではなく、予想外な答えだった
『寂しい目をしている…。と。』
『そんな事…。』
雅臣は続けた
『そして、そんな君の瞳を見てしまったら、私が放っておけないと予知をしなくても礼奈さんには分かっていたかもしれないな。』