~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅲ 竜と闇黒の王
 ほとんどの生徒が学園内の寮で生活をしているが、何人か、学園の外から学校の方へ通っている生徒もいる。
 麟紅もそんな中の一人。
 自転車で約三十分。普段はそれで通っているのだが、六月に入り雨が多くなると必然と自転車は使えなくなってくる。御冠神楽の家は住宅街のはずれの山の方ににあり、人通りも少ないゆえにバスさえ通っていない。つまり、歩きで登校してくることになる。
 歩きだとおよそ一時間。そうなると朝に起きる時間が早くなってくる。麟紅がさっきから腹を立てているのはこういう理由があるからだ。
 しかし、なんとも理不尽な理由である。
< 11 / 218 >

この作品をシェア

pagetop