~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅲ 竜と闇黒の王
 本来の悪魔召喚術としての力を隠すために用いられたのが、自然魔法に見せる擬態。
 悪魔の中には自然を司るものもいて、そういった比較的害の少ない悪魔から得られる力を黒魔術の真髄だ、自然の力こそが黒魔術だと教えることで教会の残酷な処刑を免れていった。
 しかしもう一度言うがそれはあくまで擬態。黒魔術の真髄は、悪魔召喚術である。
 地獄にいる何千何万の悪魔を召喚する、邪悪な魔術。

「その悪魔の中の高位な奴ん中で、さらに高位なのがおってな」

 常磐は帝の竜に体を貸している麟紅へと説明をする。

「七大悪魔、っちゅうおっそろしいんがおるんや」

 闇の裂け目から出た巨大熊は、その体に見合う強烈な咆哮を夜の街に響かせた。
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