~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅲ 竜と闇黒の王
 くそ、と麟紅は歯噛みした。
 そんなことを考えている間に天皇の竜は再び氷の爪を取り戻す。

「今までは油断した。まさか貴公がこれほどまでできるとは思ってもいなかった」

 静かな口調で、天皇の竜は言う。
 静かで、冷たくて、そして憤怒に満ちた声で。

「我輩もなめられたものだ……。よもや人間ごときに苦戦を強いられるとはな」

 ゆらりと体を揺らし、その体に闇をまとっていく。

「そろそろ我輩も本気で……」
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