~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅲ 竜と闇黒の王
*
その日は放課後に<黄昏の翼>事務所に行く気にもならず、ひとり商業区へ出歩いていった。
雨は降っていない。
ただ暗い雲が空を覆い隠し、夕暮れさえわからないほどに。
平日であってもこの時間帯は寮に帰る前の学生たちで賑わっている。
夕食の買出しをする者、夕飯を食べる食堂を探す者、友人とファーストフードを食べる者。
しかし、麟紅はそのどれにも当てはまらない。
ただ一人、通りを歩くだけだった。
その日は放課後に<黄昏の翼>事務所に行く気にもならず、ひとり商業区へ出歩いていった。
雨は降っていない。
ただ暗い雲が空を覆い隠し、夕暮れさえわからないほどに。
平日であってもこの時間帯は寮に帰る前の学生たちで賑わっている。
夕食の買出しをする者、夕飯を食べる食堂を探す者、友人とファーストフードを食べる者。
しかし、麟紅はそのどれにも当てはまらない。
ただ一人、通りを歩くだけだった。