【短編】雪うさぎ
「随分小さくなったんだな」

ゆうちゃんは小さく笑いながら私の髪を弄る。

私はゆうちゃんの胸に顔を埋めたまま、いつの間にか頭一つ分大きくなった彼に驚きと動揺を隠す事が出来ない。

「ゆうちゃんが大きくなりすぎたんだよ。
向こうの食事がよかったんじゃない?」

動揺を隠そうとワザと強気に言い、腕の中から抜けようと身を引いた。

が、ゆうちゃんはそれを許してくれず、ますます強い力で自分の胸の中に閉じ込めた。


「ふうん、随分な口を聞くレディに成長した訳だ。
じゃあ、挨拶も向こう式がいいのかな?」


悪戯っぽく笑う瞳に一瞬魅せられているうちに



柔らかいものが私の唇を塞いだ。



大きく目を見開いたままの私に

ゆうちゃんは笑って目を閉じるように言った。



「イヤ、目を瞑ったら夢が覚めるかもしれないもん。」



コレが夢なら


決して醒めて欲しくない




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